形力-2 プログラム : INDUCTION DESIGN-V 2006 |
|||
ALGORITHMIC DESIGN / ALGODesign |
|||
INDUCTION / ALGORITHMIC :ひとつの方法のふたつの名前 |
|||
| 設計行為とは結局、設計者の「意思」によって裏付けられた、課題への「解答」である。 この、「課題を解く」というプロセスを、科学的な(ということは検証可能な)プロセスに近づけようとするのが 「INDUCTION DESIGN」 の意図である。 inductionという言葉には、設計行為が、今までのように「ただひとつの解答を絶対化する決定」ではなく、「よりよい解答を誘発する過程」、に接近するという意味がある。 コイルに磁石を近付けると、電流が発生する。電気を直接流すのではなく、磁界を変化させることで、結果として電流を発生させている。これは誘導電流と呼ばれる。 また一方、同じ設計方法を、解答を得るための「手続きを明らかにする」という点に力点を置けば、「ALGORITHMIC DESIGN」 と呼ぶことができる。 algorithmとは、この場合はこうする、それを次にはこうする、という「手順」のことである。 このふたつの呼称は、同じ新たな設計方法の、どの性格をより強く見るかによる違いだ。 |
|||
形態発生+構造最適(高適)化 |
|||
|
|
これはALGORITHMIC DESIGN「 誘導都市/INDUCTION DESIGN 」シリーズで初めての公開プログラムであり、「ウエブ フレーム」プログラムの発展版のひとつである。 「INDUCTION DESIGN」シリーズの-Ⅲにあたる 「WEB FRAME」は、「形態発生+評価選択」プログラムであったが、構造力学は含まれていなかった。 そして「形力-2」(KeiRiki-2)は 「形力-1」の発展版プログラムとして、壁や屋根のような「面」を持つ建築体を扱えるようにした。 |
||
「条件」と「最適(高適)化」、その定義 |
|||
このプログラムの目的は、「必要な条件を解いた形態を発生させること」と、「その形態に与えた荷重を支持することに高い適合性を持つ(=高適(最適))な」構造を生成すること」である。 ここで、「必要な条件」とは、場合により様々である。何をどう、どこにどんなふうにつくりたいのかによって「条件」はそれぞれ異なる。 これとは違う条件の設定ももちろんありうる。 また、「高適(最適))な構造」とは何か、にも定義が必要だ。 ここでは「重量」を「高適(最適)」の基準としている。 高適(最適)、の定義は他にもありえる。部材の数、種類の少なさ、断面変化の程度、等。それらの定義を選択する場合には、それを解くプログラムをつくればいい。 「形力-1」プログラムは、これらふたつの過程を一体化したものである。 「形力-1」プログラムにより、設計者は任意*の全体形状をつくり、そこに自分で設定した条件下で網目状の形態を発生させ、その形態に任意の荷重条件を与え、その荷重条件下での構造高適(最適)化案を得ることができる。 (*本プログラムで可能な範囲内での任意) プログラムの各過程でどのような設定をするかにより、結果は毎回変わる。 |
|||
「高適/最適」、用語について |
|||
最適、ということばは、構造力学での用語だが、内容からいって、用語としてはかならずしも「最適」とはいえない面もあるように思われる。 いいもの、は、いくつあってもいいが、最高はひとつでないと、語義に抵触することもある。 |
|||
「形力-2」で可能になった主な点 |
|||
|
|
1-面を持つ建築を扱える :その説明: 「形力-1」は「新水俣門」のように面を張らない「純」構造体を対象にしたプログラムであった。 これは、「面が受ける風荷重」を自動的に構造検討条件にするということである。 一方、ガラスや壁のない開口部を任意に設けることも可能である。任意の面に面を張らない選択をすることで、そこは風荷重を受けない開口部となる。
「形力-1」では、高適化過程で応力負担の少ない部材は消去されるが、それにより、全体の形態が初期設定のものとは変わってしまう。つまり意図した形態と成果品とはやや異なったものになる。 「形力-2」でも同様に、高適化(最適化)過程で部材が消去されるが、では消去された部材が受け持っていた面の荷重を「形力-2」では他の部材が支持するため、もとの形態が維持される。
プログラム上での形態発生はパラメータ設定により行われるため、発生する「枝」のひとつひとつを任意に操作しているわけではない。
上記の新機能に合わせたコマンドの追加に加えて、「形態形成(shape edit)で複数の点を選択可能化」、「風荷重の方向の表示」、「補助グリッド面の位置指定」、「高適化(最適化)結果の可否の表示」、等、適宜改良を行っている。 |
||
プログラムの使用について |
|||
公開版プログラム「形力-1w」 および「形力-2」 はこのサイトからダウンロードして無料で使用することができます。 本プログラムを使用又は利用あるいは参照して作成した 成果品・研究・プログラム等の 、発表または公表あるいは出版等を行う場合は、 本プログラムを使用または利用あるいは参照した旨を 、プログラム名と著作者の名前とも、 表記する必要があります。 この「公開版プログラム」は研究教育用であり、実際の建築設計にそのまま使うためのものではありません。このプログラムの使用により生じるいかなる事態に対しても、著作者はその責を負いません。 形力プログラムのファミリー: 「形力-1」 「新水俣門」で使用したプログラム 著作者 :渡辺 誠、大崎 純、千葉 貴史 クレジット: DISCLAIMER: “KEIRIKI-2”(THE PROGRAM) IS PROVIDED "AS IS", WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING BUT NOT LIMITED TO FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE AND NONINFRINGEMENT. IN NO EVENT SHALL THE AUTHOR BE LIABLE FOR ANY CLAIM, DAMAGES OR OTHER LIABILITY ARISING FROM, OUT OF OR IN CONNECTION WITH THE PROGRAM OR THE USE OF THE PROGRAM. ダウンロード 「形力-2」 ダウンロード 「形力-1w」 |
|||
「形力-1」プログラムの内容 |
|||
A-「形態発生プログラム」 |
|||
1- 全体の曲面を決定する : Mode(プログラム実行時のツール表記:以下同) Select Mode : まず、面の全体形状を設定する。 Shape Edit Mode : 選択した3者の基本形を任意に変形する、直感的操作方式にしてある
2- 形態を発生させる : Gene-mize - Generate 次に、その面内に網目状の形態を発生させる。(これが次の工程で処理されて構造部材となる) 形態は、全体が同時に出現するのではなく、方向性を持って成長する。それは形態発生の方法に枝分かれのような逐次形成方式をとっていることによるが、これは同時に生物の形態生成方式との関連を意図している。 ここで、全体のスケール(size)も決める。 |
|||
B-「構造最適化(高適化)プログラム」 |
|||
3- 荷重を設定する : Load Edit Mode 発生プログラムで得られた形態に負荷される「自重と風荷重」は、自動的に設定される。
4- 構造高適化(最適化)を行う : Gene-mize -- Optimize ここで使用する部材の種類を選択する。 これらの条件下でプログラムは処理を行う。 ここで得られた架構が、高適化(最適化)された構造となる。 プログラムを実行すると、構造的に条件を満たさない場合も形状は表示されるが、 条件を満たさない部材は赤系の色で表記されるので、それを参考に全体の部材サイズを再選択し、再度高適化(最適化)することができる。 |
|||
「形力-1」プログラムの パラメータとアルゴリズムの説明 |
|||
注:下記の説明は「形力‐1w」についてのもの。 「形力1-w」プログラム: このプログラムは、指定した連続曲面(または平面)上に、指定した条件に基づく網目状の構造体を得るものである。 全体の流れ: 1. 全体の面状を決定する 用語: 形態 :連続曲面(または平面)。一定条件下で任意設定。 |
|||
A-「形態発生プログラム」 |
|||
1- 入力する変数 (KeiRiki-1wから入力) 1. Iran 乱数の初期値。任意の自然数。Iranを変更すると解は変わる。 2. Npmax 節点の数の最大値(4000以下)。先端の全ての節点からの分岐を1つのステップとするため,ステップ終了時に節点の数がNpmaxを超えた時点で終了。また, 後処理で節点が削除されることもあるので,Npmaxはあくまで概算値。 3. Nfp 最下辺に最初に配置する節点(=成長点)の数。配置は下記3で任意入力。
2- アルゴリズム 形態を0<x<1, 0<y<3 に正規化された平面に生成した後,曲面あるいは立方体にマッピングする。 1. 最下辺にNfp個の成長点を定め,その座標を(Xi,Yi),(I=1,2,…,Nfp)とする。 ここで,下辺の両端の座標は(0,0), (1,0)である。 2. 成長方向をθi=(0,1), (I=1,2,…,Nfp)とする。 3. 全ての成長点に対して以下の操作を行なって,2つの枝を分岐させる(k=1,2)。 ① 区間[0,1]の一様乱数rを発生させ,枝の長さLkを次式で定める。 ② 区間[0,1]の一様乱数rを発生させ,枝の方向θk(k=1,2)を次式で定める。 ③ 節点iからθkの方向にLだけ進んだ点を節点とし,枝を加える。 ④ 枝が忌避領域(節点と枝の存在できない範囲)の境界と交差する場合, ⑤ 枝が既存の枝と交差する場合は,その既存の枝の両端の節点の中で ⑥ 新しい節点を成長点とし,追加された枝の方向を成長方向とする。
4. 節点と枝のリストを更新する。 5. 節点数がNpmax以下ならば3へ。 6. 以下の操作を繰り返し,短い枝及び小さい分岐角度がなくなれば終了。 ① 長さがL0 ×Lmin以下の枝があれば,その枝を消去して両端の節点を ② 角度がθ0 ×θmin以下の分岐があれば,短いほうの枝を削除する。 ③ 枝が結合されていない節点を消去。 |
|||
B- 「高適化(最適化)プログラム」 |
|||
1- opt.dat:入力する変数 「KeiRiki-1wから入力」と書かれていない変数は,opt.dat を直接変更する。 1. E, ν,ρ 弾性係数,ポアソン比,重量密度。(デフォールトは鋼材) 2. h 板厚(Nplateが2のときは,フランジの厚さ)(KeiRiki-1wから入力) 3. σb 応力の上限値。得られる部材が細すぎるときは小さくする。 太すぎるときは大きくする。(デフォールトは鋼材の標準値*) 4. Sx, Sy, Sz x, y, z 方向のスケール。(KeiRiki-1wから入力) 5. Ncs 断面積の種類数。(KeiRiki-1wから入力) 6. Stype 曲面タイプ(1:ベジエ曲面, 1以外:立方体)(KeiRiki-1wから入力) 7. Nmax 最大繰返し数 8. Dmax 最大充実率 (充実率:部材合計面積の、形態面の全表面積に対する比。 1-開口率) 9. IC 後述の5)漸減過程の種類。計算時間短縮のため1(ステップ1のみに固定) 10. Is 自動スケーリング(1:あり,1以外:なし) (KeiRiki-1wから入力) 11. Nplate 部材の板の枚数(1:シングル,2:ダブル)(KeiRiki-1wから入力) (Is=1のときは無効) 12. Dplate 板の距離(KeiRiki-1wから入力) (枚数が2のときのみ,Is=1のときは無効)
2- dv.dat:入力する変数(KeiRiki-1wから入力) ランク1,2, …, Ncsの部材の幅 Wi (i=1,2, …, Ncs)。
3- load.dat:入力する変数(KeiRiki-1wから入力) Nload 載荷条件の数=荷重を与える節点の数。 各過程ごとに,以下の順に表示。
4- アルゴリズム:漸増過程 1. 全ての部材の幅を最小レベル(微小値)にする a- 風荷重 単位面積 (1m2)あたり3.372 kN(充実率0.3を基準とする)。 b- 自重 単位体積あたり重量と部材体積から算定
3. 剛性方程式を解いて応力比(最大応力の許容値に対する比)を計算 4. 部材幅が上限値より小さく,応力比が最も大きい部材の幅を1ランク増やす 5. ステップ1へ
5- アルゴリズム:漸減過程 ステップ1 : 1つの部材幅を1ランク下げても,「最大ランクでない全ての部材」で応力制約を満たすとき,部材幅を1ランク下げる操作を繰り返す。** ステップ2 : 接続する部材がない部材と,片持ち梁形式で先端に付加荷重が作用していない 部材を除去する操作を繰り返す。 注: |
|||






